2026/08/08
家族の話し合い✔ 相続した不動産を「売る」「貸す」「住む」選択肢ごとのメリットと注意点がわかる
✔ 空き家のまま放置したときに発生する税金や法的なリスクがわかる
✔ 親が健康でご自身の意思を伝えられるうちに話し合うコツがわかる
✔ 兄弟トラブルを防ぎ、ワンストップで相談できる「つながる相続」の活用法がわかる
「親から実家や不動産を相続したけれど、自分はもう家を持っているし、どう扱えばいいか分からない…」とお悩みではありませんか?
実は、裁判所の公式データ(司法統計)によると、相続の話し合いで揉めて裁判や調停になっているご家庭の約7割は、遺産が5,000万円以下の「ごく普通の家庭」なのです。「うちは普通の家だから大丈夫」と思っていても、不動産は現金とは違って、家や土地は1円単位でピッタリ半分に分けることができないため、トラブルになりやすい特徴があります。
残された不動産をどう扱うか、親が元気で自分の意思を伝えられるうちに家族で話し合っておく「生前対策」こそが、将来のトラブルや無駄な出費を防ぐ一番の近道です。
本記事は、現場で数多くの相続のお悩みを解決してきた専門コンサルタントの知見をもとに作成しています。

地方銀行にて培った金融分野の実務知識に加え、不動産・税金・法律・会計など多角的な専門知見(FP2級・日商簿記2級・損保資格)を保有。これまで多数の相続相談や実家の活用・売却サポートに携わる。「不動産・税金・法律」の複雑な手続きや試算をひとつの窓口でまとめてわかりやすくアドバイスし、これまで多数の相続相談や実家の活用・売却サポートに携わる。
相続した実家にどう対応すべきか迷う一番の理由は、不動産が「均等に切り分けられないこと」と「持っているだけでお金がかかり続けること」にあります。
相続した実家をどうするかは、大きく分けて「売る(売却)」「貸す(賃貸)」「自分で住む」の3つの選択肢があります。
✔ メリット
⚠ 注意点・デメリット
✔ メリット
⚠ 注意点・デメリット
✔ メリット
⚠ 注意点・デメリット
「どうすればいいか決まらないから」と放置してしまうと、知らず知らずのうちに大きな損をしてしまいます。
通常、実際に人が住んでいる土地は「住宅用地の特例」というルールにより、固定資産税が安く抑えられています。しかし、誰も住まずに荒れ果てた空き家として国や自治体から注意を受けると、この割引が使えなくなってしまいます。その結果、毎年の固定資産税が実質で最大6倍に跳ね上がるおそれがあります。
さらに、誰も住んでいなくても固定資産税や火災保険料、風通しなどの管理費用がかかり続けます。台風などで屋根が飛んで近所の人にケガをさせてしまうと、大きな責任(損害賠償)が発生することもあるため注意が必要です。
相続が始まってから慌てて考え始めると、兄弟で意見がぶつかったり、「空き家の3,000万円特別控除」(※1) という大幅な節税特例のタイムリミットに追われて損をしてしまいがちです。親が元気で意思決定できるうちに、家族で方針を決めておくことが失敗しない最大のポイントです。
※1 空き家の3,000万円特別控除:相続した実家を売却した際、売却益から最大3,000万円を控除できる節税特例のこと。適用を受けるには「相続開始から3年を経過する日が属する年の年末まで」に売却手続きを完了させる必要があります。

まずは「親自身がその家にずっと住み続けたいのか」「子ども世代の誰かが将来住む予定があるのか」を確かめましょう。誰も住む予定がないなら「売ってお金で分けるのが一番平和だね」と、あらかじめ家族全員でゴールを共有しておくことが大切です。
親が認知症になって判断能力が落ちてしまうと、法律のルールにより、その家を売ることも人に貸すことも、リフォームの契約をすることすらできなくなります(これを「資産凍結」と呼びます)。
これを防ぐために、親が元気なうちに信頼できる子どもへ「家の管理権限」をバトンタッチしておく「家族信託(かぞくしんたく)」という仕組みや、あらかじめ分け方を指示しておく「遺言書」を準備しておくことがとても有効です。
不動産の価値は、税金の計算で使う価格(評価額)と、実際に売れる値段(市場価格)で大きく異なります。「家を継ぐ人」と「継がない人」で不公平にならないよう、あらかじめプロの査定で概算の価値を知っておくと、話し合いがとてもスムーズになります。
実家の話題は、親にとっては「自分が亡くなった後の話」や「大事にしてきた家を手放せと言われている」ように感じて、身構えてしまわれることがあります。親の気持ちに寄り添い、安心して話し合えるポイントをご紹介します。

「家をどうする?」と直接的に聞くのではなく、「実家の段差が心配だからバリアフリーを考えよう」「もし施設に入ることになったとき、希望に沿えるように準備しておきたい」といったように、親の安心で快適な老後をサポートする視点で会話を切り出すのがコツです。
お正月や夏休みに帰省したときや、実家の片付けを手伝うタイミングは絶好のチャンスです。「いらない物を整理しながら、この家を将来どうしていきたいか」を世間話の延長で優しく聞いてみましょう。
生前に話し合いをせず、何も決めないまま相続を迎えてしまったことで、兄弟関係が崩れてしまった実例をご紹介します。
父親が亡くなり、遺産は築40年の実家(評価額2,000万円)とわずかな預貯金のみでした。Aさんも弟もすでに持ち家があったため、最初は「とりあえず兄弟半々の名義(共有名義)で登記しておこう」と深く考えずに放置してしまいました。

長男の意見:「自分はすでに家がある。誰も住まないなら早く売って、お金を半分ずつ分けよう。」
次男の意見:「子供の頃の思い出が詰まった実家を売るなんて寂しい!人に貸して家賃収入をもらおう。」
兄弟の意見は真っ向から対立。共有名義にしてしまったため、全員の同意がなければ売ることも貸すこともできません。人に貸すにも数百万円のリフォーム代が必要で、誰もお金を出そうとしませんでした。
結論が出ないまま2年が経過し、毎年数十万円に上る固定資産税や庭の手入れ費用だけが兄弟の負担になり続けました。管理不全による近隣からの苦情も相次ぎ、仲の良かった兄弟の関係は修復が難しいほど悪化してしまったのです。
Aさん兄弟のように「とりあえず共有名義にして放置する」ことは、トラブルの大きな原因になります。専門家の知識を取り入れながら、早い段階で1つの明確な答えを出すことが不可欠です。
Aさん兄弟のように、家族だけで話し合おうとすると感情的になってしまい、損をしないための法律や税金の制度をうまく使えないまま放置されてしまうケースは少なくありません。
不動産の処分や活用には、いくらで売れるかの査定(不動産会社)、名義変更や家族信託の手続き(司法書士)、税金の計算(税理士)など、いくつかのプロの知識を組み合わせる必要があります。
しかし、別々の会社や事務所に相談しに行くのはとても大変です。そこで、必要な専門家チームがひとつにまとまった相談窓口として作られたのが「つながる相続」です。
「つながる相続」では、親身な相続カウンセラーとプロの専門士業チームが連携し、ご家庭ごとの事情に合わせた「一番損をせず、家族みんなが笑顔で納得できる具体的な活用プラン」を中立的な立場でお伝えします。
Q1. 相続した不動産は、いつまでに「売る・貸す・住む」を決めるべきですか?
A. 税金の優遇制度が使える「相続から3年以内」を目安に方向性を決めるのがベストです。放置が長引くほど、住んでいなくても固定資産税や維持管理費がかかり続け、建物の老朽化も進んで価値が下がってしまうため、早めの検討をおすすめします。
Q2. 遠方にある実家や、田舎で売れそうにない土地・家でも相談できますか?
A. もちろん可能です。地方の不動産であっても、隣地の所有者様への打診や空き家バンクの活用、買取業者への打診など、さまざまな選択肢があります。放置して毎年の税金や管理費だけがかかり続ける状態を防ぐためにも、一度ご相談ください。
Q3. まだ具体的に方針が決まっていない段階で、子供だけで無料相談に行っても大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。実際にご相談に来られる方の多くが「何から手をつければいいかわからない」「家族の意見がまとまっていない」という段階でお越しになります。まずは現在の状況を整理し、どのような選択肢があるのかを知ることからスタートできます。
実家の相続は、時間の経過とともに選択肢が狭まり、固定資産税や維持管理の負担が大きくなります。ご家族の思い出が詰まった大切な実家だからこそ、手遅れになる前にまずは一度プロのアドバイスを受けてみませんか?